■小説「坊ちゃん」に登場する道後温泉」(愛媛 松山/温泉 歴史 観光)

鉄道で行く小さな温泉の旅(by井上晴雄)
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■小説「坊ちゃん」に登場する道後温泉」(愛媛 松山/温泉 歴史 観光)

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 夏目漱石著「坊っちゃん」に描かれた道後温泉本館 
  〜「道後温泉」(愛媛県松山市)〜

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 3000年という日本最古の歴史を誇る道後温泉は愛媛県松山市にある。明治時代に完成した道後温泉本館を中心とするその界隈には100件以上の宿が立ち並び、松山城の城下町として栄えた往時の面影と素朴な笑顔が通い合っている。 

 
 道後温泉には幾つかの見所があるが、その中でも最大の目玉とされるのは、夏目漱石著「坊ちゃん」の作品中でも紹介されている道後温泉本館(通称坊ちゃんの湯)。宿泊する旅館やホテルに立派な風呂があってもできれば立ち寄っておきたい。


 小説「坊っちゃん」を久々に読み返してみると、松山の中学に赴任したばかりの主人公(坊っちゃん)が下町風に次のように述べる台詞があった。「おれはここに来てから毎日住田の温泉に行くことに決めている。ほかの所は何を見ても東京の足元にも及ばないが温泉だけはりっぱなものだ」。読み進めていくと、教師仲間のうらなり君と湯壷で顔を合わせたり、湯から上がって本館の大広間で休む場面など道後温泉にまつわる風景が多数描かれていた。それらは現存する道後温泉の風景と一致しているものも少なくなく、筆者も小説「坊っちゃん」に改めて親しみを持ったので、持参してみるとよいと思う。

 

  JR 松山駅から伊予鉄道で終点の道後温泉駅に到着するとそこはもう温泉街の中だった。10数階あろう近代的ホテルから風雅な老舗旅館までもが数多く軒を並べている。
そこで早速、見て欲しいのが道後名物の観光時計「からくり時計」。改札から商店街を左側に見ながら道路を渡った観光会館の前にある。8時から21時までの毎時00分、その煌煌とライトアップされた時計は時を知らせる音楽とともに閉ざされた扉が開く。10m近くあるその大時計はゆっくりと上方に持ち上がり、内部から登場するのはマドンナや赤シャツなど小説「坊っちゃん」の登場人物の人形たち。
そして、音の奏でに合わせてくるくると回りながら踊る可愛らしいパフォーマンスを披露してくれる。当日は雨模様ながら多くの傘がからくり時計前に集まり、その旅情溢れる光景にあちこちから歓声が上がっていた。
 


 改札を出て左に進むと商店街のアーケードに入る。この付近は道後温泉一の繁華街なので土産を買うなら便利だ。ちなみに松山の名物は、坊っちゃん団子、タルト、ゆず餅など。
 200mほど直進してから十字路に突き当たったところで右折して30mほど歩く。柳が植わる路地に、3階建て木造の建物が高々とそびえているのが見える。それが道後温泉本館。本館上の振鷺閣には伝説の白鷺があしらわれ、重層さと豪華かさが漂う。屋根瓦下ののれんの内側からこぼれる明かりに、浴衣姿の人々が賑やかに談笑しながら消えていく。


 道後温泉本館は3階建てで「神の湯」、「霊(たま)の湯」、皇族専用の「又新殿(ゆうしんでん)」、漱石ゆかりの「坊ちゃんの間」など幾つかの領域に分かれている。受付で切符を購入し、のれんをくぐって館内に入る。下駄箱に靴を入れて鍵を掛けてから入り口の係員に切符を切ってもらう。「神の湯」に入るならそこで石鹸付きタオル(50円)を買う(ホテルや旅館から持参してもよい)。



 銭湯感覚で地元の方々も多い「神の湯」は、1階と2階に入り口がある。そのうち、300円のコース(6−23時*22時30分札止め)なら、そのまま廊下を直進して左折。そこが脱衣所にあたる。620円のコース(6−22時*21時札止め)なら、一度階段を上がって2階の控えの間へ。そこで荷物や上着などを置いて1階の脱衣場(300円のコースと同じ)へ続く別の階段を下りる。



 「神の湯」の浴室は東、西(隣合わせになっている)2ヶ所に分かれているので、どちらに入ろうかと迷うかもしれないが、構造や広さなどほとんど同じ(もちろん両方入ってもよい)。脱衣してロッカーに鍵を掛け(無料のものと100円入れるものがある)風呂の内部に入ると、湯煙の先に花崗岩を畳みあげた円形の湯壷が目に飛び込んでくる。常に新しい湯が湧出しては溢れ出ていくので、そこにはいつも湯がなみなみと満ちている。湯に浸かってみると、意外と深いことに気づくのだが、半身浴するための段があるのでゆっくり座ってくつろぐことができる。
道後の湯はアルカリ単純泉。さらりとした肌感でリウマチ、神経痛、疲労回復などに効用があり、成分が体の芯まで染み込みやすいことから、湯冷めしにくいとされる。檜の湯桶も香りが良く心地良く、ふと石壁を見上げると、「坊っちゃん泳ぐべからず」という大きな黒札が掛けられていた。そう言えば小説「坊っちゃん」では主人公が風呂を泳ぐ描写があった。それを受けてのことだろうか、何ともユーモラスで嬉しくなる。


  JR 松山駅から伊予鉄道で終点の道後温泉駅に到着するとそこはもう温泉街の中だった。10数階あろう近代的ホテルから風雅な老舗旅館までもが数多く軒を並べている。
そこで早速、見て欲しいのが道後名物の観光時計「からくり時計」。改札から商店街を左側に見ながら道路を渡った観光会館の前にある。8時から21時までの毎時00分、その煌煌とライトアップされた時計は時を知らせる音楽とともに閉ざされた扉が開く。10m近くあるその大時計はゆっくりと上方に持ち上がり、内部から登場するのはマドンナや赤シャツなど小説「坊っちゃん」の登場人物の人形たち。
 

210.jpgして、音の奏でに合わせてくるくると回りながら踊る可愛らしいパフォーマンスを披露してくれる。当日は雨模様ながら多くの傘がからくり時計前に集まり、その旅情溢れる光景にあちこちから歓声が上がっていた。
筆者は坊っちゃん団子と牛乳も注文して随分くつろいでしてしまった。 霊の湯は2階と3階にある。2階の980円コース(6−22時*21時札止め)3階は1240円個室コース(6−22時*20時40分札止め)。神の湯と比べると少々割高感があるが、その分、込み合う観光の繁期にも比較的ゆったりできる。それだけでなく、風呂に入ると大島石を使った浴槽は随分広く、素朴さに優雅さも味わえる。風呂上がりにはお茶とお菓子のサービスも付いてくる。その他、同じ階にある皇族専用の又新殿は入浴することはできないものの、係の方の案内で観覧することができる(210円)。


 ホテル古湧園


 翌朝6時、道後温泉本館に向かった。早朝だというのに多くの人々が入り口の前に集まっていた。道後温泉の一日は本館の「刻太鼓」と呼ばれる音で始まる。(刻太鼓は環境庁(当時)の「日本の残したい音100選」)。その情緒ある太鼓の奏でともに東の空が漆黒の闇より藍、青とゆっくり変化していき、町も俄かに活気を帯びてきた
 



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プロフィール

shirakawa_1.jpg このたびは、ご訪問、誠にありがとうございます。当サイトは、トラベルライターおよび旅行添乗員の経験がある筆者が、数年かけて日本各地を旅行しながら、取材して作成したものです。温泉、宿、特産品、歴史など観光地の紹介に加え、話題に乏しい地方の田舎町も取り上げることで、地方の活性化にも貢献できればと思っています。今後とも、よろしくお願いします。  (ガイドブック・雑誌等 実績)
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▼井上晴雄.が執筆に携わったガイドブックの一例 ・「旅の雫」(交通新聞社)・「癒しの湯治宿」(山と渓谷社)・「B&Bの宿」(山と渓谷社)・西国33ヶ所ウオーク(JTBパブリッシング)・「花の社寺ウオーク」(JTBパブリッシング)・「まっぷる滋賀」(昭文社)・「全国焼酎めぐり」(学研)・・「まっぷる北近畿」(昭文社)・「関西あそびマップ」(ジアース) 他
(井上晴雄.プロフィール)  昭和52年(1977年)、大阪府堺市に生まれる。 画家、ライターとして、幅広く活躍。朝陽や夜景を はじめとする日本の旅風景を描きつづけている。 株式会社かね善本社(大阪市)に作品約40点が 常設展示されている。個展14回、グループ展9回。 雑誌や新聞での連載。書籍への掲載多数。韓国や豪州など海外出展、豪州日本大使館に作品収蔵。   心の豊かさを感じにくい現代社会。作品を通して、 ひとりでも多くの人々に、「未来への希望」や 「生きる元気」を与えたいと、日々、制作に 取り組んでいる。

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・・「氷見の朝陽」、「黒潮の夜明け」、「古都の朝陽」はじめ、太陽が昇る瞬間の作品

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・・「山陰 海岸の夕暮れ」、「宍道湖の夕暮れ」、「しまなみの夕景」はじめ、太陽が西に沈もうとしている作品                                                             

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